L’uomo delle stelle (1995) : 明日を夢見て

映画俳優のスカウトマンを装った詐欺師と人々の交流を描き、映画への夢を逆説的に語った愛と懺悔の物語。フェリーニ、デ・シーカ、ヴィスコンティら、イタリア映画の名監督たちの作品へ捧げたオマージュが全編に散りばめられている。監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレで、同作品と同じく彼が少年時代に過ごしたシリチア地方を舞台にしている。
主演は、セルジョ・カステリットとテッツィアーナ・ロダート。また、レオポルド・トリエステ、ニコラ・ディ・ピント、レオ・グロッタら「ニュー・シネマ・パラダイス」の面々が顔を見せるほか、有名デザイナーのドルチェ&ガッバーナが特別出演。120人の俳優のうちプロは20人で、あとはアマチュア劇団員や素人で固められ、素晴らしい演技を披露している。

L’uomo delle stelle (1995) : 明日を夢見てのあらすじ

1953年、シチリア島。ジョー・モレッリ(セルジョ・カステリット)はおんぼろカメラを積んだトラックで田舎町にやって来た。彼は町の広場にテントを張り、道行く人々の映画の新人オーディションに参加するよう賑やかに呼びかける。たった1500リラのオーディション代で、明日の銀幕のスターの夢が手に入るというのだ。島の人々は一攫千金を夢見て、こぞって集まってきた。
孫を売り込む爺さん、ジョーが配った「風と共に去りぬ」の台詞が覚えられず家族の話をする兄弟、セックスの自慢話をする男、陰気な町職人、娘のオーディション代を体で支払う母親、ダンテの『神曲』をシチリア語に訳して暗唱するアストロパオロ曹長(フランコ・スカルダーティ)、ガリバルディの戦争の生き証人で、112歳のレオナルド爺さん__。そして何とスペイン内乱の生き残りで、口がきけなくなったはずの老人(レオポルド・トリエステ)までが、カメラの前に座ったとたん、堰を切ったように語り出す。町外れでは山賊バダラメンティ兄弟たちもカメラの前に立った。

ところが、ジョーが映画関係者というのは真っ赤な嘘で、彼はプロの詐欺師だった。次の町で、彼は自分の歳もよくわからない孤児のベアータ(タッツィアーナ・ロダート)に出会う。ほんの子供だと思っていた彼女をレンズ越しに見た瞬間、ジョーは美しさに打たれ、金を受け取ることができなくなる。そこへマフィアが現れ、彼は死んだボスの死に顔を撮影するよう依頼された。葬儀の後、ジョーはマフィアとのポーカーで大儲けして町を去る。トラックにはベアータが忍び込んでいたが、ジョーは彼女を修道院へ送り返した。

再度出発した彼は侯爵夫妻と名乗る男女と出会うが、彼らも同業の詐欺師で、まんまとトラックを奪われた。ジョーを追いかけてきたベアータの通報で、幸いにもトラックは見つかる。ジョーはベアータを抱き、次の日から彼女が助手となった。ところが、署長に昇進したマストロパオロが現れ、ジョーは逮捕された。「カメラの前では誰もが真実を言う。その人々をお前は裏切った」と、署長は激しくジョーを弾劾した。さらに彼は護送される途中、泣き叫ぶベアータの前でマフィアに半殺しにされる。2年後、刑期を終えたジョーはベアータを探し歩き、精神病院に入院した彼女を訪ねた。だが、ベアータにはもはや、ジョーが誰かも分からない。彼は親友のふりをして「奴にとって君は、心から愛したたった1人の女性だ」と心を込めて語った。トラックで旅だったジョーが録音機のスイッチを押すと、シチリアの人々の声が流れだし、彼らの顔が次々と脳裏に浮かんでは消える。「恋愛映画が大好きだわ。甘いキスでハッピーエンドよ」と笑う無邪気なベアータの顔が一瞬映り、そして消えた。

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